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秋場 真人; 石塚 悦男; 榎枝 幹男; 西谷 健夫; 小西 哲之
プラズマ・核融合学会誌, 79(9), p.929 - 934, 2003/09
原研における超臨界圧水を冷却水に用いた核融合発電プラント用ブランケットの設計,開発の現状に関するレビュー論文である。原研では超臨界圧水を用いた核融合発電プラントの概念設計を進めた結果、システムの発電効率として40%以上が得られる見通しを得た。この成果に基づき、発電プラント用ブランケットのより詳細な構造検討を実施した。まず2次元コードを用いてブランケット内の固体増殖・増倍材の温度分布を評価し、各々の充填層の厚さを決定した。これに基づいて2次元輸送コードを用いてトリチウム増殖比の評価した結果、局所で1.4以上、全体で1以上のTBRを得られる見通しを得た。さらに複雑な構造の製作手法として高温等方加圧法を採用して第一壁の模擬試験体を製作し、5000回以上の熱サイクルに耐えることを実証した。
炉物理研究委員会
JAERI-Review 2001-047, 180 Pages, 2002/02
炉物理研究委員会の下に、加速器駆動型未臨界炉システム(ADS)の現状と課題を炉物理的な観点から検討することを目的として、平成11年7月に「加速器駆動炉の炉物理ワーキングパーティー(略称ADS-WP)」が設立された。本ワーキングパーティーでは、第1回ADS-WP会合において、2年間の活動指針を討議し、(1)「高エネルギー領域の中性子輸送計算の問題」,(2)「未臨界炉に特徴的な静特性と動特性(安全性)の問題」,(3)「概念設計、要素技術開発を含むシステム設計の問題」の3課題を重点的に取り上げていくことを決定した。ADS-WPの活動期間は平成11年7月より平成13年3月であり、この間に合計4回の会合を開催し、これらの課題について討議した。また、原研と高エネルギー加速器研究機構との共同による「大強度陽子加速器計画」における原研「核変換物理実験施設」計画への意見・要望の調査・取りまとめを行った。本資料は、上記活動期間中におけるADS-WPの活動成果を取りまとめたものである。本資料がADS-WPの成果を概観し、さらには今後の新たな研究活動の指針選定に役立つことを期待する。
奥村 義和; 荒木 政則; 花田 磨砂也; 井上 多加志; 国枝 俊介; 栗山 正明; 松岡 守; 水野 誠; 小原 祥裕; 田中 政信*; et al.
Production and Neutralization of Negative Ions and Beams; AIP Conference Proceedings 287, p.839 - 848, 1994/00
JT-60Uのための、負イオンを用いた中性粒子入射装置(NBI)の設計と開発の現状について解説する。このNBIは500keV、22Aの重水素負イオンビームを発生できる負イオン源2台を用いて、10MWの中性粒子ビームを入射するものであり、世界で初めての負イオンNBIである。負イオン源は、セシウム添加型体積生成方式であり、広い範囲に一様に負イオンを生成するため、原研で開発したPGフィルターを用いている。また、3段の静電加速系を用いて、負イオンのみを収束性良く加速する設計となっている。加速された負イオンは、ガス中性化された後、長いビームラインを通して入射される。システムの全体効率は、40%である。
朝岡 卓見
原子力工業, 21(6), p.70 - 74, 1975/06
原子炉理論基礎講座の最終回として、原子炉炉心設計の仕様とか、燃料の経済性についてのデータを与える核計算コードの現状について解説した。まず核断面積計算用として熱中性子散乱核の代表的計算コードを述べ、次いで核断面積より中性子スペクトル計算を通して、熱中性子、あるいは高速中性子郡定数を与えるコードについて説明した。この郡定数を用いて原子炉の静力学的核特性、すなわち運転開始時の核特性が計算され、次いで運転に伴う特性の変動も求められる。又原子炉の安定性、制御性の解析のための動特性計算コードについても概略を述べた。